Dec 13, 2007

薄れる記憶

私が初めて手に入れた宝箱
まだ小さかった私には
それが大きく大きく感じられた

私は毎日それと一緒だった
私の大事なもの何もかも詰め込んで

成長する私に対して
それはずっと変わらず
色あせてゆくほどに愛着は深まってゆく

いつだったか私は
卒業を迎えてしまったけれど


今もそこには詰め込まれてる
私の幼かった日々が

Dec 7, 2007

楽園

鉄のような匂いがする
錆びた鉄のような

一瞬失いかけた意識に
わたしは寄り添う
逆らう理由は何も無いのだから

見開いた目は
その刹那を刻み込む
飛び散る黒い液体

わたしの鼓動は早く
勢いを増す

やがて来る沈黙をさも知っているかのように


やっとゆけるんだ
やっと
夢見ていたあの場所へ

Dec 6, 2007

未練

枯れ葉となってしまったわたしが
あと出来ることはただ美しく散ることだろうか

茜のそらに映る水面に
ひらひら
ひらひら


それでもまだわたしの未練がここを去ることを許さない…

Dec 4, 2007

さよならわたし

さよなら昨日の私
さよなら今日の私

過去は私を戸惑わせる
過去は私を臆病にさせる

だから
私はこの刹那にしか生きられない


さよならわたし

Dec 1, 2007

あしあと

ついて来る
私の後からついて来る

黒く
もやっと

私は走って逃げた
後ろも向かず走って逃げた
ふと振り返ると
まだついて来てた


どうにも可愛らしいやつだ
今度並んで歩こう

Nov 30, 2007

その手のなかに

私には
天使の微笑みよりも
悪魔の囁きのほうが心地よい

何故ならば
何もかもが作られた笑顔にしか見えないから


もう何処にもないのかな

Nov 29, 2007

時加速度

時が加速してゆく

まだ舞い散る桜風に微笑んでいないのに

まだ暑い陽射しを遮る青葉に触れていないのに

まだ一面薫る秋桜と戯れていないのに

また凍える最果ての地で、ただ涙の結晶だけが増えてゆく


まだ…
わたしは何ひとつ受け止められずに…

Nov 28, 2007

リフレイン

わたしが抱えた罪を
わたしが背負った十字架を

例え悠久の時を費そうとも
例え二度と光を見ることができなくても


時がいつか許してくれるその日まで

Nov 21, 2007

対価

わたしは手に入れた
世界を滅ぼす力を
この魂の代償に

わたしは手に入れた
永遠の美しさを
心の一部の代償に


わたしは手に入れる
悠久の時を
この命の代償に

Nov 20, 2007

常しえの冬に

この世には神も仏もないのか

所詮すべては他人事

もはや夢を見れるほど
眠ること叶わず

Nov 19, 2007

秋の空と

この金色の実りが人々を潤しても

この朱色の山々が森の育みを支えても

この漆黒の闇はわたしを解き放ちはしないだろう

Nov 17, 2007

幻と

鬱蒼と茂る森
光の届かぬ世界
流れる水の音が唯一の命の尊み

この暗闇の深い森の奥に
私は光を見た

それが幻だと知ってはいても


ただ幻を信じていた

Nov 16, 2007

あの花のように

自分の居場所を探し求める生きかた
価値の向上を追い求める生きかた
生きるために生きる生きかた

夢を武器に振りかざす生きかた
神の思し召しに忠実な生きかた
人と伴にあることに満たされる生きかた
生きることに意味を見出せない生きかた


生きるって何だろう


あの小さな花のように生きよう

Nov 11, 2007

破壊

再生は無から始まる

この大地も空も海も山も人も全て燃え尽きてしまったならば・・・


そこには小さな小さな命が始まる

Nov 10, 2007

浮遊

探している

私の居場所
私の還る場所

ここでないのはわかっている
もう希望は持っていない


だけど
終わらせることも出来なくて

探している

Nov 9, 2007

木漏れ日

夏とも言えぬ秋とも言えぬ
生暖かく少し肌寒い風の吹くこの丘

まだ雨つゆの残る大地は弱々しく
丘の上からこの街を守り続けてきた菩提樹は葉を揺らし
色付きを待ちわびる

あの日も今日のように木漏れ日が僕たちを照らしていた

あの日から地球はいったいどれ程周ったのだろうか


それでも・・・
振り向いたらそこに微笑むあの人がいるような気がして

僕はまだここにいる

Oct 27, 2007

月影

私が光になれたならば
あなたを輝かすことができるだろうか

だけれども・・・
私は闇になりたい


あなた自身の輝きを見ていたいから

Oct 24, 2007

風をさがして

うららかなこの風

髪をなびかせ
スカートを揺らし
カーテンをはためかせる


私を運んでいってはくれないけれども

ちいさなちいさな恋を運んでくる

Oct 21, 2007

うたかたの夜

皆の笑顔の裏のこころの闇が
皆の笑顔の裏のこころの叫びが

私にはどうしようもなく


やがて終わりは訪れ
皆居るべき場所へ還ってゆく

Oct 20, 2007

希と望と

希望とは満たされないものが持つもの

こんなにも朝焼けが眩しいものだったなんて
断崖の人造物にも容赦なく日が昇る


そして何も無い私もまた希望は持たない