Feb 26, 2013

いつしか忘れ去られるその日まで

あたしがいつからか言葉少なになったのは
あたしの大切なものを傷つけるから

あたしの言葉は一度たりとも
何かを満たしたことなどない

だからあたしは
心の一部をここに記す

あたしの言葉を封じめる場所として

いつしか忘れ去られるその日まで

Nov 18, 2012

大切なもの

大切なものなんて
選べるはずもない

身近なものに手を差し伸べて
遠く離れたものを手離せるはずもない

声の届く距離の人を疎かにして
顔も名前も知らない見ず知らずの人を愛でれるはずもない

それでも
遠く離れて声の届かない距離にいるのなら
あたしはそっと心を届ける

心の届く範囲を
あたしは大切にする

Nov 6, 2012

ひとりよがり

世の中に不思議なことなんて
きっと何も無いんだ

それはたぶん
あたしたちが無知なだけ

気付いてあげられないこと
理解しようとしないこと
受け入れられないこと

不条理なのは世の常で
不可思議なのは公式にあてはめようとするから

Nov 2, 2012

視線を遮るものは

思いもかけない人たちがあたしを見ている
気がつきもしなかったし
考えもしなかった

人の目線は苦手だ
視線を感じると
逃げ出したくて仕方が無くなる

それでも人に生かされているあたしは
視線に晒されながらも
人に感謝する

Oct 28, 2012

ひとしずく

ひとつ
またひとつと
離れてゆく

それでも
いちばん最後に残ったものこそが

あたしが本当に
手に入れたいものかもしれない

Oct 15, 2012

未来写真

写真を整理するのは苦手だ
だってそこには
過去に見てきたものしか写されていないから
どこにも未来は写っていない

写真に収めた時点で
今刹那があっという間に過去に変わる

過去を触れたくないあたしがいるから
写真を整理するのが苦手なのだ

すべて納得した
すべて納得できた

とりあえず今は
ただの磁気データの羅列として
おやすみ

Oct 1, 2012

脆さと儚さ

いつもあたしは
あたしを遠くから見つめる
そもそも感情は不要なものだ

好きでもないし
嫌いでもない
大切でもないし
粗末でもない

不用意にあたしは
あたしを直視しようものなら
そもそも掛け替えは不要なものだと気付かされる

存在が希薄なことは
むしろ尊いことだ