Nov 30, 2007

その手のなかに

私には
天使の微笑みよりも
悪魔の囁きのほうが心地よい

何故ならば
何もかもが作られた笑顔にしか見えないから


もう何処にもないのかな

Nov 29, 2007

時加速度

時が加速してゆく

まだ舞い散る桜風に微笑んでいないのに

まだ暑い陽射しを遮る青葉に触れていないのに

まだ一面薫る秋桜と戯れていないのに

また凍える最果ての地で、ただ涙の結晶だけが増えてゆく


まだ…
わたしは何ひとつ受け止められずに…

Nov 28, 2007

リフレイン

わたしが抱えた罪を
わたしが背負った十字架を

例え悠久の時を費そうとも
例え二度と光を見ることができなくても


時がいつか許してくれるその日まで

Nov 21, 2007

対価

わたしは手に入れた
世界を滅ぼす力を
この魂の代償に

わたしは手に入れた
永遠の美しさを
心の一部の代償に


わたしは手に入れる
悠久の時を
この命の代償に

Nov 20, 2007

常しえの冬に

この世には神も仏もないのか

所詮すべては他人事

もはや夢を見れるほど
眠ること叶わず

Nov 19, 2007

秋の空と

この金色の実りが人々を潤しても

この朱色の山々が森の育みを支えても

この漆黒の闇はわたしを解き放ちはしないだろう

Nov 17, 2007

幻と

鬱蒼と茂る森
光の届かぬ世界
流れる水の音が唯一の命の尊み

この暗闇の深い森の奥に
私は光を見た

それが幻だと知ってはいても


ただ幻を信じていた

Nov 16, 2007

あの花のように

自分の居場所を探し求める生きかた
価値の向上を追い求める生きかた
生きるために生きる生きかた

夢を武器に振りかざす生きかた
神の思し召しに忠実な生きかた
人と伴にあることに満たされる生きかた
生きることに意味を見出せない生きかた


生きるって何だろう


あの小さな花のように生きよう

Nov 11, 2007

破壊

再生は無から始まる

この大地も空も海も山も人も全て燃え尽きてしまったならば・・・


そこには小さな小さな命が始まる

Nov 10, 2007

浮遊

探している

私の居場所
私の還る場所

ここでないのはわかっている
もう希望は持っていない


だけど
終わらせることも出来なくて

探している

Nov 9, 2007

木漏れ日

夏とも言えぬ秋とも言えぬ
生暖かく少し肌寒い風の吹くこの丘

まだ雨つゆの残る大地は弱々しく
丘の上からこの街を守り続けてきた菩提樹は葉を揺らし
色付きを待ちわびる

あの日も今日のように木漏れ日が僕たちを照らしていた

あの日から地球はいったいどれ程周ったのだろうか


それでも・・・
振り向いたらそこに微笑むあの人がいるような気がして

僕はまだここにいる