Dec 17, 2009

成すべきは

彼は歴史家であった
人々の幾万年の傷を受け入れた

彼は実験家であった
自由と自我の両立を試みた

彼は革命家であった
世界の果てなる行く末に一歩を記した


彼はことを成した

Dec 15, 2009

空白の時を生きる

めぐる世界に背を向けて

おもかげに笑みを返す

閉じたまぶたに映るそら

塗りつぶされたポートレイト


空白の時を生きる

Dec 14, 2009

求めたものは

長い間そうしてきたんだ
信じて疑わなかった
それで何を得たか

血の結束も
一期一会も
相容れないものばかり

得たのは勝者のいない争いと虚しさと
どこか心地よい居場所

Nov 25, 2009

オヤスミ

遠く消えてゆく光
明日を繋ぐ紡いだ糸も見えぬまま
静寂は影をも隠し
世は黙する

あたしを魅了する誘い
ただ眠りへと

Nov 24, 2009

律するもの

森を甦らせるには木を間引かなければならない

病を治癒するには周りの細胞ごと取り除かなければならない

この地球が芽吹きを取り戻すには
人ならざるものの手に還さなければならない


粛正せよ

Oct 1, 2009

恐れずに

変化を恐れないで
失敗を恐れないで

恐れるべきは慣れること

言葉を恐れないで
心を恐れないで

恐れるべきはなれ合うこと

Sep 29, 2009

絶やすことなかれ

次のシャボン玉を吹きださないと
すぐに消え去ってしまうよ

その口笛を吹き続けないと
すぐに笑顔はほどけてしまうよ

芽吹く青葉には陽を
花咲く大地には雨を

絶やすことなかれ

Sep 18, 2009

ただ穏やかであれ

君が苦しまなければいけない理由はただひとつだ

人類が1万年苦しんだ経験を
何一つ学んでいないからだ

歴史はすべてを知っている

それでも苦しまなければならないなら
争いは決して止まないだろう

Sep 17, 2009

遥か

いつもあなたの後ろを追いかけてた
いつか追いつけると信じて
いつか同じ場所に立てると信じて

でもあなたの背中は遠ざかるばかり
わたしが一歩進む間にあなたは二歩も三歩も進んでしまう

もう影すら見えないところまで
あなたは行ってしまったね

さよならを言うときがきた

Aug 27, 2009

危険思想

人を恐れることはない
誰も君を裏切らない
君が嫌いなのは自分だけでしょう

あの頃には二度と戻りたくないから

そう言い聞かせてみても
夜が眠れるはずもないだろう

閉ざした心はもう

Aug 26, 2009

またいつか風が吹く

秋の気配
夏の終わり

春風はとうに過ぎ去ったけれど
茜色の空は魅了してやまない

一度発した言葉は消してもなくなりはしない

刻み込まれた言葉
またいつか風が吹く

前へ前へ

Aug 25, 2009

煩悩と真理と

君は何を考えているんだい?
僕は何も考えてはいないよ

君はいつもそう言うんだね
考える必要が無いからさ

どうして必要が無いの?
手の届くところにあるものは答えを知っているからさ

じゃあ届かないところにあるものは?
届かないところには何もないさ

これが僕のすべてだから

Jul 15, 2009

everything, it's ok

今、君が歩いてきた道を振り返るといい
その延長線上に君の未来があるんだ

たった一歩
今、君が向きを変えれば
その延長線上に君の未来があるんだ

たった一瞬
今、君が見上げれば
その延長線上に君の未来があるんだ

Jul 1, 2009

戻り道

声が聴こえる

どれだけ耳を塞いでみても
どれだけ遠く離れてみても

言葉にしなくてもわかるよ
その辛さが
その虚しさが

みんなも声を聴けばいいんだ
そうすれば戻れる気がして

Jun 30, 2009

ここにはない何か

何でもあるは何にもないに似ているね
何でもできるは何にもできないに似ているね

君を縛るものは
幼きころ目にした天使と悪魔の契約

君を形作ったものは
幼きころ感じた背筋も凍るあの感覚

君を導くものは
もうここにはない何か

Jun 24, 2009

相互作用

重力に引かれるように
寄せては返す

魂と魂だけが言霊を交わす
生身の躰だけが痛みを感じられる

何も拒まない
何も受け入れない

満ちては欠ける
今夜も重力に惹かれる

Jun 3, 2009

深い眠り

昨日は儚いものでいい
記憶は曖昧なものだから

今日は苦しいものでいい
痛みは途切れないのだから

明日はさりげないものでいい
夢は夢のままだから


今夜はただ
眠れればいい

Jun 2, 2009

不感症

過ぎ行く月日が
ほんの僅かずつながら
わたしを取り巻く環境を変えてゆく

何も感じることのない日々の中で
わたしは何を得て何を失ったのか

多少なりとも抱く違和感が
刹那さともいえるのか
まだわたしの中に失えるものが

わたしは未だ
探している

May 25, 2009

まぼろし蜃気楼

急がないでね
焦らないでね

きっと見つけられるさ
きっと辿りつけるさ

その平均台の足元を見たって不安を抱くだけ

両手を広げて
風を信じて

自己修復作用

あたしのやり方を主張する君が
あたしのやり方を否定できようか

そこに存在する以上
あがき、もがき続けるしかないのだと

笑顔の意味も知っている
涙の意味も知っている

そこに神がいないことも

Apr 25, 2009

愁いこと

世界を変える力があれば
どんな世界が作れようか

君を振り向かせる力があれば
それを実行に移せようか

零れ落ちる涙をすくえる力があれば
わたしは

ただ自分以外の何かを変える力を持ちあわせていないことが
愁いで仕方がない

Mar 30, 2009

此岸から彼岸へ

手放したからこそ
手に入れられたものもあるんだ

なんて
始めから何も手にしていない
僕にはわかるもんか

手放せなかったからこそ
手に入れられなかったものもあるんだ

なんて
始めから心を決めていた
君にはわかるもんか


それでも
繋がっている

Mar 11, 2009

あさきゆめみし

真相を追い求める人間らしさと
合理性を追求する非人間性と

時間をお金で買う日常と
お金で自由を埋め合わせする非日常と

追いかけられては
またあとを追うその後ろ姿


それでも流されない強さを

Mar 10, 2009

祈り

なぜあなたは笑っていられるのだろう
なぜあなたは喜んでいられるのだろう

この苦しそう声が聞こえないの?
この悲しそうな瞳が映らないの?


わたしはあなたが憎いわけではない
ただあなたの笑顔を見たくない

Mar 9, 2009

Cell

理想的な結晶とは一定の構造単位を空間に限りなく繰り返し構築していくことによって形成される
すべての結晶の構造はある格子の各格子点に一つの原子団を所属させる形で記述できる
この単位構造が空間に繰り返し並べられるとそれは結晶を形成する
周期的配列をした結晶の原子モデルは絶え間なく一点の曇りも無い

定義された完全体である結晶個体と比較して
有機的物質体であるヒトはその不確定性と不完全さを持つがゆえに
自己再生機能も自己制御機能もまた不完全であり有限である
ただしその不完全さを補填するためか精神という未知の物質・波動とも呼べないものよってもまた構築されている
精神からくる感情という機能に汚染されつつも創造し続けるのがその特徴である

Mar 4, 2009

世界がまだ

世界がまだ元気だったころに
それは生まれた

分裂・融合を繰り返す中で
それは数あるうちのひとつもしくは複数として誕生した

それは生まれた刹那かもしくはその直前から
自ら(達)の運命を呪った

それは生まれた瞬間の世界の広さのあるべき乗だけ存在した


世界がまだ元気だったころ
それは消滅した

それは消滅した刹那もしくはその直後に
自ら(達)の生まれた訳を理解した

Feb 25, 2009

なせばなす

アヒルの子がみにくいだなんて
誰が言ったんだい
あたしは認めない

白鳥だってたいして変わらないね

だったら丹頂のように
フラミンゴのように

蝋で固めた翼でも
あたしは跳ぶよ

Feb 22, 2009

さらば

誰かが素敵なことをゆってたよ
市場の箱に山積みされたジャガイモから
ひとつを手に取るようなものさ

ジャガイモのカタチなんてたいして気にもしないだろう
それがどんなにでこぼこでも

どうせ僕らはいつか
おさらばするのさ

Feb 15, 2009

偽り

その友情も偽り
その笑顔も偽り

その想いも偽り
その涙も偽り


愛など探してなんていない
一縷の迷いも受け付けない

Jan 5, 2009

玉手箱

木を見て森を見ず
森を見て世界を見ず

けれども
見えた世界は


箱は箱のままで
秘密は秘密のままで

Jan 1, 2009

過去から未来へ

ヒトは言葉を得て
ヒトは文字を獲得した

果たしてそれは何がためなのか

ヒトは先人から学ぶべきだ
ヒトは歴史から学ぶべきだ

過去を知ることは未来を見つめることと同意である


体験から学ぶのでは傷が大きすぎる
経験から学ぶのでは余りにも遅すぎる

誰も争う必要はない
誰も傷つく必要はない


and i love you all