Nov 18, 2012

大切なもの

大切なものなんて
選べるはずもない

身近なものに手を差し伸べて
遠く離れたものを手離せるはずもない

声の届く距離の人を疎かにして
顔も名前も知らない見ず知らずの人を愛でれるはずもない

それでも
遠く離れて声の届かない距離にいるのなら
あたしはそっと心を届ける

心の届く範囲を
あたしは大切にする

Nov 6, 2012

ひとりよがり

世の中に不思議なことなんて
きっと何も無いんだ

それはたぶん
あたしたちが無知なだけ

気付いてあげられないこと
理解しようとしないこと
受け入れられないこと

不条理なのは世の常で
不可思議なのは公式にあてはめようとするから

Nov 2, 2012

視線を遮るものは

思いもかけない人たちがあたしを見ている
気がつきもしなかったし
考えもしなかった

人の目線は苦手だ
視線を感じると
逃げ出したくて仕方が無くなる

それでも人に生かされているあたしは
視線に晒されながらも
人に感謝する

Oct 28, 2012

ひとしずく

ひとつ
またひとつと
離れてゆく

それでも
いちばん最後に残ったものこそが

あたしが本当に
手に入れたいものかもしれない

Oct 15, 2012

未来写真

写真を整理するのは苦手だ
だってそこには
過去に見てきたものしか写されていないから
どこにも未来は写っていない

写真に収めた時点で
今刹那があっという間に過去に変わる

過去を触れたくないあたしがいるから
写真を整理するのが苦手なのだ

すべて納得した
すべて納得できた

とりあえず今は
ただの磁気データの羅列として
おやすみ

Oct 1, 2012

脆さと儚さ

いつもあたしは
あたしを遠くから見つめる
そもそも感情は不要なものだ

好きでもないし
嫌いでもない
大切でもないし
粗末でもない

不用意にあたしは
あたしを直視しようものなら
そもそも掛け替えは不要なものだと気付かされる

存在が希薄なことは
むしろ尊いことだ

Sep 27, 2012

客観性自分

物心ついた頃から
あたしは何も変わっていない

あの頃から
あたしには思い出が無い
思い入れる出来事も
思い入れる出会いも
ただただ希薄で

思い出を持ちたくない
客観的に自分を眺めているだけの
そんなあたしがいた

何も思い出せないのは
きっとそのせい

今もあたしには
思い出が無い

Sep 22, 2012

不確実性記憶

何が本当だったのか
何が大事だったのか
すべてが曖昧で
すべてが不確実

ほんの少し前のことのはずなのに
僅かにしか思い出せない
あたしの気持ちですら
ここに留め置くことが出来ない

記憶は塗り重ねられ
意識は薄れゆく

Sep 7, 2012

目が覚めない夢を見よう

どんな夢を見ていても
刻が満ちれば覚めてしまう

ほんの一瞬温かさに包まれてたとしても
瞬きする間も与えられず冷めてしまう

夢の中こそがあたしの夢
眠りの中へ

どうせならば
目が覚めない夢を見よう

Aug 12, 2012

なりたいもの

時々考える
どうすれば子供になれるだろうかと
本気で考える

小さいころはよく聞かれた
大人になったら何にないたいかと
あたしはいつも即答した
大人にはなりたくないと

今はもう
将来のことを誰かに聞かれることは無い

それでも本気で考えている
子供になる方法を

Aug 2, 2012

存在証明 泡となれ

まるで空気と同じじゃないか

あたしはずっとここにいるのに
誰も気がつかない
誰も触れられない

あたしの存在証明は
水の中だけ

泡となれ

Aug 1, 2012

100億年の夢

ひととひとは
いつか必ず分かりあえると
あたしは信じてる

でもひとの一生は
あまりにも短く
あまりにも儚い

望んだことの1ppmすら
選んだことの1ppbすら
達成することなく
あたしは生涯を終える

Jul 17, 2012

夏の終わり昼の終わり

今年は夏がやって来ない
あたしの嫌いな夏
やっと叶った


次は昼がやってこない
そんな時が来るだろうか
あたしの嫌いな昼
叶うだろうか

ずっと願ったことは
希みがなくなることだから

Jun 27, 2012

伝えたいこと伝えられないこと

分かっていることでも

分かりきったことでも

言葉にしなければいけない

伝えたいのならば


あたしにはもう少しだけ勇気が必要だ

Jun 26, 2012

矛盾仮説

なぜひとを殺してはいけないのか
ひとはひとを殺せるんだよ

ひとを殺すのを恐れているだけさ
ひとに殺されるのを恐れてるだけさ

王は民を守るために殺すの恐れてはいけない
兵は矛に貫かれるのを恐れてはいけない

君は花をも虫をも殺してきたはずさ

ひとも殺せる

Jun 18, 2012

横切り猫

人とうまく関われないのは
今に始まったことじゃない

自分以外の人間なんて
猫が横切るのとなんらかわらない

一瞬立ち止まり
少しだけ振り向いて
あとは振り向きもせずに
全速で去っていくだけさ

Jun 15, 2012

地ぺた

空も飛べたあの頃は
夜な夜な雲の上で
闇の中に浮かぶ
小さな光と大きな丸ばかり見ていた

今はただ
地べたに這い蹲って
雨催いを眺めるばかり

空虚

そう
君は自由なんて
はじめから望んでなどいなかったんだね


制限されることに心を許していたなんて
拘束されることに快感さえ感じていたなんて

ひとつ自由を失ったときは
何かを手に入れたとき

ひとつ自由を手に入れたときは
何かを失ったとき

もう
からっぽ
だね

Jun 14, 2012

不自由さ

ねぇ
君は自由だよ
どうして自由にそらを飛ばないのかい?
君に失うものなんてないはずだよ

ねぇ
君は自由だよ
どうして答えを見て見ぬふりするんだい?
君は自由になりたいんでしょ

ねぇ
君は
始めから自由だよ